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声が小さいと言われるストレスへの対処法。自分だけが悪いと思い込まないで!

幼い頃から「声が小さい」と言われ続けてきました。そのせいで、一時期は誰とも喋りたくなくなり、家に引きこもっていた時期もありました。大きい声を出せるようになるセミナーに行ったりもしましたが、結局、大した効果はありませんでした。

そんな私ですが、あるときから考え方を変えたことで、「声が小さい」と言われることにそこまでストレスを感じなくなってきました。もちろん、一瞬は落ち込みますが、その気持ちをズルズル引きずることは、もうありません。

そこでこの記事では、「声が小さい」と言われ続けてきた私の「声が小さい」ことに対する考え方と、ストレスへの対処法を紹介したいと思います。同じように悩んでいる人の参考になれば嬉しいです。

声が小さいせいで感じたストレスのエピソード

声が小さいことで受けてきたストレスはたくさんあるのですが、その中でも特にストレスだったエピソードをいくつか紹介したいと思います。

イライラした顔で聞き返される

「えっ?今、なんて?」って聞き返されるなら、まだいいんです。一番傷つくのは、ものすごく怪訝な顔で、「は?」とか、「何言ってんの?」みたいな強い口調で聞き返されるときです。相手のイライラ感がモロに伝わってきます。威圧感がすごいんですよね。

実際、聞こえなくてイライラするのは分かります。自分も、プレゼンや講演会などで声が聞こえないと、イライラするときありますから。でも、そういうときって「すみません、聞こえないので音を大きくしてもらえますか?」という感じで、柔らかく相手に伝えますよね。「全然聞こえないんだけど!?」って、いきなり怒る人はいないと思います。

一対一の対話でも、そういう気遣いはあってほしいなと思うんです。だってこっちは、普通に喋ってるんですから。「つもり」じゃなくて、本当に普通に喋ってるんです。それなのに、いきなり強い口調で聞き返されると、「えーと、そこまでして聞いてもらわなくていいです……」って言いたくなります。

「自信を持て」とひたすら精神論を説かれる

小学生や中学生の頃によく言われていたのが「自信を持って!もっと大きな声出して!」という言葉。これを言われる度に、「あなたは自信を持てない、ダメな人間なんだ!」って言われてるようで、バカにされているような気分になりました。

「声が小さい」=「自信がない人」。大人になってからも、世間ではこの考え方が一般的なんだな、ということを感じます。もちろん、そういう一面もあるかもしれません。でも、私は「もっと大きな声を出して!」って言われる度に、自分の出せる限りの大声を出してきました。

それでも、「声が小さい」と言われる。その大小の基準って何?なぜ、先生がジャッジできるの?それに、「自信があると大きい声になる」って、何の根拠があるの?

私はその頃、大きい声を出したかったです。でも、どんな姿勢で、どんな呼吸で、どう声を出せばいいのか、具体的な体の使い方を教えてくれる先生は、一人としていなかった。ただ、「自信を持って!もっと大きな声出して!」この精神論をひたすら繰り返されるのが、本当に嫌でした。

大きい声を出すまでやり直しさせられる

これは私ではないのですが、小学生の頃の同級生のエピソードです。卒業式で、卒業証書を受け取る練習をしていたときのこと。名前を呼ばれたら、「ハイ!」と大きな声を出さないといけません。みんなが一発OKをもらう中、私は2〜3回やって、ようやくOKをもらいました。「小さいけど、まあギリギリ合格」という感じのOKでしたけど……。

そんな中、私より声が小さい同級生の男の子、A君の番になりました。他の子達に比べたら小さく聞こえるけど、本人は見るからに全力でした。彼はとても小柄だったんです。だから、普段の授業でも彼の声が小さいのはみんな知っていて、これは仕方ないよな、と思っていました。

ところが、練習の指導をしていた体育の先生は、A君とあまり接点がなかったからか、何度も声を出させました。「もっと出せ!やる気がないのか!」と叱りながら。A君は何十回も「ハイ!」と声を出していましたが、全然大きくならない。というか、それがそのときA君が出せる一番大きい声だったんだと思います。

その後も声出しは続き、みんなが練習を終えて帰る中、A君は体育館に一人で居残りさせられていました。私はあまりにも気になったので、片付けるふりをしながら隅っこでそれを見ていました。最終的にOKが出ましたが、A君の声は枯れていました。もともとこの体育の先生のことはあまり好きではなかったのですが、この一件でますます不信感が募りました。

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声が小さいのは本当に悪いことなのか?

声が小さいことでお悩みの皆さんなら分かると思いますが、世間では「大きい声」=「正しい」、「小さい声」=「悪い」みたい常識があります。

私はあるとき、それって本当なのか?と疑問を持つようになりました。そしてそれが、「声が小さい」と言われるストレスを軽減するきっかけにもなりました。

誰もが同じ大きさの声を出せるという根拠はない

そもそも、「大きい声」=「正しい」と思っている人たちは、「誰もが同じ大きさの声を出せる」と信じています。でも、その根拠はあるのでしょうか?少なくとも、私が調べた限りでは、科学的根拠は見つかりませんでした。

人間はひとりひとり、違います。たとえば、女性と男性は、そもそも声の高さが違いますよね。一般的に、女性が男性と同じくらい低い声を出すことは難しいですし、逆も然りです。まれに出せる人もいますが、それはごく一部の人です。声の大きさも、同じだと思うのです。

声質の違いは絶対に関係している

逆に、「通りやすい声と通りにくい声がある」という論文があります。つまり、人によって聞こえやすい声と聞こえにくい声があるということです。

同じ大きさの声を出していたとしても、通りやすい声なら聞こえるかもしれないし、通りにくい声なら聞こえないかもしれない。「声が小さい」と言われるとき、単純に音量のことだけを考えがちですが、声質の違いは絶対に影響があるはずです。

耳が敏感だったり病気の可能性もある

そもそも、声が小さい人は、耳が敏感な可能性もあります。耳が敏感だから、自分の声が大きすぎると頭に響いてしまう。だから、普通に喋っていても声が小さくなる、という説です。

実際に、耳管開放症といって、自分が大きな声を出すと耳の中で大音量で響いてしまう、という病気があります。響くのを我慢して大声で喋るのもストレスですし、そもそも相手の声や周りの声を自分の声が塞いでしまうことになるのです。

世間では「小さい声」=「自信がない、やる気がない人」と見る傾向がありますが、こういった可能性を全く考えていないんだなと思います。

声が大きすぎると周囲の迷惑になる

バスや電車、お店などで、大声で喋っている人がいると「うるさいな〜」って思うとき、ありませんか?私は、よくあります(^^;)

こういう人たちも、意図して大きな声を出しているわけではなく、ごく普通に喋っているだけだと思うんです。でも、周囲の迷惑になることもある。小さい声も同じで、本人はごく普通に喋っているだけなんです。

大きい声、小さい声、どちらにもメリットデメリットがある。だから、「大きい声」=「正しい」っていう考え方は、ちょっと違うんじゃないかなと思います。

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声が小さいと言われるストレスへの対処法

ここからは、私が「声が小さい」と言われるストレスを減らすことができた方法を3つ、紹介していきます。

(1)まずは自分を責めることをやめる

これまでに書いてきた通り、まずは世間の常識を疑ってみることが大事です。私もずっと、周囲の声に従って「大きい声」=「正しい」と思い込んでいました

でも、そうじゃなかった。よく考えてみてください。歌手の中森明菜さんは、声が小さいことで有名ですよね。紅白の生放送でも話題になったし、よくモノマネもされています。でも、悪いことのようには捉えられていません。個性のひとつとして認められています。

つまり、「声が小さい」=「悪い」ではないんです。聞き返されたり、「声が小さい!」と怒られたりしたとしても、「声が小さい自分はだめな人間だ…」と、自分を責めない。私は、「これは私の個性なんだ」と認めることからはじめました。これだけでも、かなり心が軽くなりました。

(2)失礼な人のことはスルーする

強く聞き返されたり、怒られたりすると、声が小さい人は萎縮して、ますます声が出せなくなります。また、「自分はダメだ……」と責めることで、それこそいくら「自信を持て」と言われても、自信を持てるような心の状態ではなくなり、ますます声が小さくなっていきます。

声が小さいことで責めてくる人は、これが全く分かってない。ただ、自分の正しさを押し付けようとしているだけです。そんな人の言うことを聞く必要はありません。スルーしてしまいましょう。

本当に自分を大切に思ってくれる人は、柔らかく聞き返してくれます。そして、そういう相手には、がんばって大きい声を出そうと思うものです。そういった人たちとだけ関わるようにすればいいんです。小さい声に対する反応は、自分にとって大切な人を知るための基準にもなりますね。

(3)聞き返されても気楽に考える

そうはいっても、やっぱり聞き返されたら、落ち込みますよね。でも、「また小さい声を出してしまった…」と考えるのは、NGです。

私は最近、聞き返されたら「あ、この人は自分の声が聞こえなかったんだな」と、事実だけを受け止めるようにしています。

その上で、ちゃんと聞いてほしかったら大きい声を出すよう努力するし、喉が疲れていたら「今、喉が疲れていて、大きい声が出せないんです。すみません」と相手に伝えます。これで怒ってくる人は、またスルーです(笑)

聞き返されても、「自分のボリュームUPボタンを押された」くらいに、気楽に考えるのが良いです。実際、私はこの考え方で、聞き返されても落ち込むことがかなり少なくなりました。

声の大きさも個性!自分を責めないで

繰り返しになりますが、声の大きさも個性のひとつです。声が小さいことは、悪いことなんかじゃありません

もちろん、相手をイライラさせてしまうことはあるでしょう。でも、それは声が大きい人も同じです。同じ声でも、相手の体質や状況によって受け取り方はいくらでも変わります。

何か言われたら、事実を受け止めて、どうするかを考える。ただそれだけです。大きい声を出す努力を一切しないでいい、と言いたいわけではありません。とにかく、必要以上に自分を責めるのだけは避けてほしいなと思います。

この記事が、同じように悩んでいる人の参考になれば嬉しいです。